じぶんラボに向けて動き出した第1回目(2018年)の様子です。まだ手探りの状態でしたが、各ご家庭の理解をいただき実施させていただきました。その様子をまとめました。
第1回へ向けて
「じぶんラボ第1回」(この頃はまだ「チャレンジクラス」と呼んでいました)に参加してもらったのは2人、まずは2人にこんなことをしていきたいということを伝え、自分のしたいことを「何でもいいから」教えて!!と伝えました。
少し考えた後2人から出た答えはそれぞれ
Sくん「太鼓の達人が好きで叩く部分の魔改造がしたい!」
Yくん「プレステ4のジャンク品(壊れているもの)が近くの中古屋にあったから買って直したい!」
・・・・。
・・・・・・。
「・・・OK!!やってみようか!」
正直内心かなり焦りました、「え、それできるの?」と。
じぶんラボでしたいこと
意見が何にもでなかった時のために大体私も第1回目はある程度こんな感じかなぁ〜というアイデアを考えてきていましが本当にしたいことを聞けたときは、私(大人)の想像している範疇は軽く超えてきます。でもそれでいんだと思っています。それでこそ私のしたい「じぶんラボ」だと。「こうしなさい。あれはダメ。」という壁を一度外して本当に自分のこころがワクワクするようなことを真剣にやってみる。そこから得る経験こそ、今後の進路に影響するはずです。誤解のないように説明しておきますが、私は単純に「成功した、楽しかっただけ」を経験させたいわけではなく、ワクワクする者に向かった結果「失敗することや大変さを感じるだけになる」ことがあってもそれはそれで良い経験だと思っています。その中から学べること得ることは山ほどありますし結果がどうなるか分からないからこそ挑戦する価値もあると考えています。
ですので「No」は基本的にありません。(法的・倫理的にダメなものはもちろんNG)
やりたいことを聞いておいて「それはちょっと難しいそうだから・・・」を言った瞬間に「したいことを何でも」が嘘になります。できるかどうか探っていくところからすでに「じぶんラボ」のスタートという考えなのです。
ここで一瞬の揺らぎはあったもののあの瞬間に「OK」を言えたことで全てはスタートしました。恐らくこのさきも難しいこともあるかもしれませんが、私は「OK」を言いつづけます。「じゃあどーやったらできるか考えよう」と生徒と一緒に考え続けると思います。
第1回じぶんラボ開始!!
ということで前置きが長くなりましたが、作戦会議を終え無事「第1回じぶんラボ」が開始しました。
「アルミホイルで鉄球をつくりたい!&太鼓の達人の太鼓を魔改造したい!」
「いや!プレステ4どこいったッ!!!!」
という粗品バリのツッコミが聞こえてきそうですが。
実は彼が見たプレステ4のジャンク、料金が格安だったので始めたいということだったんです。でも、その値札を隣商品のものと間違えていたらしく、実際はかなりの高額だったのでプレステ4はやはり辞めると言ってきました。
「本当にそれでOK?」と確認はしましたが、変更することに対しても私は何もいいません。あくまでも「本人の意思」なので。(ただこれが第4回に繋がるわけです。)
Yくんがプレステ4の修理の次にしたかったのが「アルミホイルで鉄球を作る」(彼が大好きなのヒカキンがyoutubeでしてたみたいです。)、お!これなら余裕でできそう!
じぶんラボのお金の話
そうそう、じぶんラボの「お金」の話なのですが、授業自体の料金は今のところ頂いておりません。(※実施する内容によっては必要なものも今後でるかもしれません)ただ、自分で使う材料については実費をご家庭にご負担いただいております。
お家の方に理解して出してもらうのか、自分がどうしてもやってみたいのでお小遣いで買うのか、その辺りを保護者の方に伝えて納得してもらうのも「じぶんラボ」の取り組みのうちと考えています。自分がしたいことを周りがやってくれるのではなく自分で頑張ることが自立への一歩だと思っているためです。
自分の親に向けて「プレゼン」をする感じでしょうか。これは大人になってから会社で上司に企画書を「プレゼン」して理解してもらい、自分の意見を通していくのに繋がると思います。「学校の勉強」ではないですが社会に出た際に必要な勉強以外の能力を身に付けて欲しいというのも「じぶんラボ」を実施する理由の1つです。
じぶんラボの様子
長々とした説明になりましたが、このようにして無事第1回じぶんラボが開催されました。
「アルミホイルで鉄球を作る組」と「太鼓の達人の太鼓を大きく魔改造組」に分かれていますが作業自体は同日に行いました。(私は自分の鉄球を作りつつ、魔改造をサポートしました。)
1.まずは教室でどうやって作るか、何が必要かの作戦会議
2.その後ホームセンターにて材料購入
【いざ!材料集め!】
【これはえらい!事前に調べた際のメモを持ってきていました。】
【各々購入(2人ともお小遣いで出していました)】
3.別日にて作成開始
【これを・・・】
【これにしたい!】(果たして…)
【各々作業開始!】
【表の叩く部分はボンドを固めて作ってみるそうです。(太鼓魔改造組)】
【一方のアルミホイル組】
【丸くなって・・・ないね。】
【叩いて叩いて、その後研磨(結構大変)】
【タイムアップがきたので終了】
4.アルミホイル鉄球はなんとか完成、太鼓の達人はどうにか貼り付けたけれどセンサーが反応しない部分があったり、叩く部分以外は完成しなかったりと納得の出来というところまではいきませんでしたが、家に持って帰ってから修正するということで終了しました。
5.第1回目の良かった点と反省点をまとめると自分たち(生徒たち)が設定した時間では「完成させる」ことはできても「納得」の出来にはならないことがよく分かりました。次回は時間設定にもう少し余裕を持たせること、作りながら「あれが必要だった、こうすれば良かった」という不具合が多々出たので作業日に納得できるクオリティにするためにも準備段階に時間を使っておくことを反省点としてました。第1回目に形はどうあれ自分のしたかったことを「完成」までもっていったことは良い点でした。
最後に
「じぶんラボ」はすでに夢がある生徒たちには正直必要ないものかもしれません。ですので無理に一緒に何かしよう!と誘うものではありません。
「将来どうしよう。」「夢なんてわからない。」「高校どこでもいい。」
未来のことで迷っている生徒のほんの小さなきっかけになることができれば、私がこれをする意味はあるのかなと思っております。
2018年度は「チャレンジクラス」という名称で中学2年生の2名の生徒と共に実施させていただきました。その取り組みを見て学年トップを取るような受験生がその取り組みを見て「せんせーこれなんなん?」「えっ!めっちゃ羨ましい、もう1年遅く生まれとったらよかった。」「俺もしたかった!」と言ってくれました。そしてその上で「いっつも勉強ばっかりじゃあつまらん。」という言葉を伝えてくれました。その言葉を聞いた瞬間に勉強ができるできないに関わらず、塾でやろう、やるべきだ!と確信しました。
中学校時代、当時の私自身が解決することなく進んでしまった「勉強の先に何があるのか」に対して藤わら塾なりの答えを出したつもりです。
そして私は改めて生徒たちに聞くでしょう。
「将来何がしたい?」と。