タイムリミット本まとめ

タイムリミット本まとめとは

2019年4月から始めた取り組みです。

授業のラスト8分を使って「3分間で読んだ部分を5分でまとめる」ことを行います。

内容は小説を中心に歴史書、絵本など様々です。塾から伝えた決まり事は「自分の読みたいもの」を持ってくることです。

集中力が切れる終盤10分間を利用して授業の最後の最後まで集中する練習も兼ねています。

これにより培いたい力

1.本を読むこと自体

保護者の方から最近よく「本を読むことをしない」と聞きます。さらに言えば本どころかマンガも見ないというのでマンガ好きの私からするとビックリなのですが、小さな頃からyoutubeなど動画サービスが充実している世の中では活字の媒体から距離を置く子が出てきても不思議ではないのかもしれません。

「自分の好きな本」を読むことで本の面白さに気づいて欲しいというのが1番の理由です。ですので「〇〇な本を読みましょう!」とこちらから指定はしません。塾からの指定は「自分が興味があるもの」であれば何でもOKです。そのため絵本を持ってくる子もいるという訳です。(流石に絵本をずっとまとめていくだけで力はつきませんので、中1については1冊目のみOKにしています。)

実際に家では全くといって本を読まなかった生徒が塾で本まとめを始めてから家でも漫画や本に興味を持ち始めたという声も聞いています。

読書量は力です。

本を読むのが好きな子=国語力(国語のテストで点を取る力)がある子と単純には言えませんが、少なくとも小さな頃から文章を読んでいると読むスピードや語彙力には違いがでます。入試前に急に読書をして読むスピードがUPするわけでありません。小さな頃からの積み重ねに勝るものはないのです。

塾での本まとめを通して本を読むこと自体の時間、量を増やして欲しいと考えてます。

2.制限時間内に書き出す力

高校入試は制限時間があります。これは絶対に変わらない制約です。それを意識せずに勉強することは「テストを受ける気がない」と言われてもしょうがないと私は思っています。

ですので、時間内に自分の頭の中にあるものを書き出す力(アウトプットする力)は必須です。

授業終了前の5分以内にまとめることで「制限時間内に書き出す力」を鍛えています。時間内に終わらなければ次回持ち越しですが、生徒にはできれば時間内にどうにかして取捨選択して形にするように伝えています。

もう一度言いますが、制限時間内になんとかして形にする力は受験には必須です。

それを中学1年生から毎週練習しています。

※小学生の時間制限は比較的緩く、自分の思考を形にする方に比重を置いています。

3.まとめる力+イメージ力

今、小学生から受験生まで私の指導時間の中で一番多く生徒にかける言葉はなんだと思いますか?

答えは・・・

「絵にしてみよう」

です。

特に

・算数や数学の文章問題

・理科の実験・計算問題

・国語の記述

などだいたい、世の子どもたちが苦手というものほど「1回絵にして情報を整理してみよう」と伝えます。

小学生の頃から抜き出しや単純計算で丸をもらっているとどうしても目の前に見えている数字や質問の前後でどうにかして答えを出そうとするのが癖になり、結果として受験期でも応用問題に手が出にくい状態となります。(質問の前後からしか答えを探さない、出てくる数字以外は式に立てられないなどの様子がある子は要注意です。)

問題全体を読み、それを頭の中にイメージしてから必要な部分を必要に応じて変化させていく、そういった力が乏しい子が多いと感じます。

もちろん、これはそんなに簡単な力ではないので訓練、練習が必要です。昔は学校の授業でもじっくりとその辺りを鍛える時間があったのですが、最近は進度を守るためにも、とにかく早足なイメージが拭えません。(これは正直、学校の先生のせいではないと思っています。それくらい今の子供たちはしなくてはいけないことが多いのも事実です。)

私は1つのことをじっくり時間をかけてあーでもない、こーでもないと考え抜くことができればどんな教科のどんな問題でも対応できるようになるはずと考えています。

これは、どんな問題でも1発で解ける天才になるという意味ではなく、「仮に間違えても自分の力で解答・解説と睨めっこしながら答えを導き出せ、その結果その後は解けるようになる」という意味です。そうすれば自力で進めていけるので習っていないものでさえ読み、理解し、進めることができるようになります。

ある意味では上記が私の考える「自律(自立)学習」の目指すべきところです。

その力をつけるために読んだ部分に何が書かれていたのかを絵にまとめイメージできるように練習をしていきます。

ちなみに、「絵」と書いていますが、本当に絵だけではなく必要ならば言葉も書き出します。

大切なのはインプットした情報をイメージ図にしてアウトプットすることですのでその練習を学年に応じたレベルでしてもらいます。

(下記の小学2年生であれば本当に絵を書くだけで、できたものと本文とで私と「問答」をしていきます。)

塾としての指導

さて、それほど大切な力と言いながらそれをどうやって指導するかというのは大変難しい部分がありまして、私が以前行っていた集団授業や個別授業では指導方法+時間の制約を考えるとこの力には結びつきにくかったです。(これは授業の仕方の問題なので個別がどう、集団がどうという話ではありません。集団授業でも、個別授業でもうまくその部分を伸ばしている先生もいます。)

私が自律型サポート学習を始めたのもそのためです。

そして本まとめにもこの部分を意識しています。

生徒がまとめたノートは塾にそのまま置いて帰るので、私はすべての生徒がまとめた文章にチェックを入れていきます。生徒が読んだ部分と同じ部分を私も読み、その後子どもたちが何を大切に思って、それをどうやってまとめたかを確認させてもらいます。

そしてその上で必要な情報やまとめ方の指導・イメージ図の使い方・時には私の本の感想もペンで入れていきます。別に正解不正解を言いたいわけではないので赤ペンは使いません。

「よりこうした方がいいよ」という指導と「こんな展開になるとは!」といった感想をノートを使って生徒とやり取りしていきます。

本をまとめながら、生徒と一緒に1冊の本を読んでるイメージです。

最初は

・読んだ部分をそのまま書く=めっちゃ長文&時間制限に引っかかる

・真っっっっっっ白

こういったノートからスタートしますが半年過ぎてくるとちゃんと「まとめ」になってきます。また国語の学力、もっというと全教科の学力が高い生徒ほどまとめる力があります。

国語力がある子は勉強ができるというのはこういうことを指しているのでしょう。

特に先程の2点の特徴は国語だけではなく、その他の教科の文章問題、記述問題など「子供が苦手としている部分の回答」にそっくりじゃありませんか?

過去問プリントを解くように点数にすぐに直結するわけではありませんが、自律学習の塾としては全教科の基礎となるこの部分を鍛えたいと思っています。地道な作業ですが、自分で考え、言葉にしていく力は受験はもちろんその先の高校や社会に出てもきっと役に立つはずです。

最後に

このように「タイムリミット本まとめ」は塾としてもちろん学力向上に意味があることは意識していますが、私が個人的に一番望んでいることは「誰かと一緒にあーでもない、こーでもないと言いながら本を読む」こと自体を楽しんでもらえ、結果として本が好きになってくれることです。

小説だけではなく学問書、専門書、雑誌など勉強から趣味まで本が好きになるだけで一気に世界が広がります。

本が好きになってそこからさらに自分の世界をどんどんと広げて欲しい、そう考えています。